GIMPで画像を切り抜く(その2)


の1でやった切り抜きは、とても切り抜き易い被写体だったので、[類似色を見つける]のしきい値を変化させるだけで、対象となる部分の領域選択ができました。今度は少し複雑な形で、しかも残った余分な周囲のゴミも取り除いていく作業もします。関連記事:GIMPで画像を切り抜く(その1)

複雑な形の切り抜き

複雑な形をしたナデシコを切りとるの1で切り抜いた方法を用いて複雑な形、複雑な色の構成にもチャレンジしてみましょう。「その1」のコスモスは花の輪郭線より内側は花びらのピンク系とおしべめしべの黄色系の色のみで、背景色に近い緑色系は含まれていなかったため、さっくりと簡単に切り抜くことが出来ました。今回のナデシコは花びらにほんの少しだけ緑色系の部分が存在するために、ちょっとしたテクニックが必要となります、といってもたいしたことはありません。またこの写真では中央の花よりも右の方の花にピントが合っているために、切り抜く対象は右の花にします。では最初に右側の花を切り取ってから加工します。

切り抜きたい部分を切り取ってから作業をする(GIMP2.2)の花を[矩形選択]ツール(矩形領域を選択する)で選択し、コピーします。[ファイル]タブをクリックして表示されるメニューから[新規]をクリックして「名称未設定」の新規画面に貼り付けます。ことのき右図のように[ダイアログ]タブで[レイヤー]をクリックして、「レイヤー」ウィンドウを表示させてください。

新規画像作成で貼り付けたときフローティング選択領域になっているのでレイヤーに固定する(GIMP2.2)り付けた画像はそのままでは「フローティング選択領域」にあるので[あいまい選択]ツールが使えません。[フローティング選択領域]で右クリックして表示されるメニューから[レイヤーを固定]をクリックしてください。

レイヤーを複製して複製した方で作業する(GIMP2.2)度失敗しても良いように図のように[背景]を複製して、複製したほうの[背景コピー]レイヤーで作業をします。

あいまい選択で花の輪郭を確保する(GIMP2.2)初に目指すのは、花びらの輪郭線をきちっと取ることです。[あいまい選択]ツール(隣接(色)領域の選択)で、[しきい値]を変化させて、花びらの中でなるべく明るく鮮やかなピンクの部分をクリックします。「その1」では背景をクリックしましたが今回逆ですね。しきいちが低すぎると花びらの先端まできれいに選択されません。また高すぎると花以外の茎の部分やその下の地面など所々はみ出して選択されてしまいます。この場合では60前後が丁度良いようです。花の中心部分に選択抜けが生じていますが、ここでは花の輪郭をキレイに取得することに注力して、その内側や外側に多少選択抜けや過選択部分が現れても気にしないでおきましょう。

選択抜けを選択領域に加える方法(GIMP2.2)択抜けの部分を選択領域に含めていく作業をします。モードを[選択領域に加える]にし(またはShiftキーを押しながら選択する)、しきい値の設定を最初におこなったときよりも低く設定してください。低いほど選択する範囲が狭まり、未選択部分が細かく分割されてクリックする回数も増えます。反対にしきい値が高いほど、選択範囲が広まりますが、花びらの外側部分も選択されてしまうことが起こります。数値を変えて外側も選択されてしまうようでしたら、CtrlキーとZキーを同時に押すか、[編集]タブで表示されるメニューから、[あいまい選択 の取り消し]をクリックして元に戻してください。再度[しきい値]を増減させてからクリックしてみましょう。この画像の場合は[しきい値]が20くらいの値でうまく選択できることがわかりました。

未選択部分をクリックして選択領域に加える(GIMP2.2)択領域に加える動作のときは、図のようにマウスポインタの右に+のマークが付きます。未選択領域が小さくてわかりにくいときは、この+マークが表示されるところが未選択領域なので、マウスを動かして+が表示さる部分を片っ端からクリックしていきます。細かくなりすぎてクリックしにくいときは、表示倍率を上げて作業してください。

過選択部分を削除する方法(GIMP2.2)て次は右隣りの花も選択されてしまっているので、それを除外する作業をします。[自由選択ツール](手書きで領域選択)をクリックして、「モード」で[選択領域から引く]をクリックします。

過選択部分を選択してカットする(GIMP2.2)しずつでもいいので、余計な部分を囲んでどんどん選択領域を消してください。拡大して細かい部分までやっても良いですし、ざっくり消しておいて、この後で解説するように消しゴムツールで消しても構いません。

選択領域を反転させる(GIMP2.2)回は花自体を選択してきたので、ここで[切り取り]をすると肝心の花が消えてしまいます。[選択]タブで表示されるメニューから[反転]をクリックして、選択領域を逆転させます。そして[編集]タブで表示されるメニューで[切り取り]をクリックして背景を消し去ります。

背景を切り取ったナデシコの花(GIMP2.2)転させた選択領域を切り取った状態が右画像です。こように背後がグリッド(市松模様)になっていると、細かな修正をするには不向きですので、背景を白にするためにレイヤーを一枚かませます。

透明の背景を白にする方法(GIMP2.2)[ダイアログ]タブで表示されるメニューの中から[レイヤー]をクリックして[レイヤー]ウィンドウを表示させます。作業をしたレイヤー[背景 コピー]で右クリックして、表示されたメニューで[新規レイヤー]をクリックします。

新規レイヤーでの設定(GIMP2.2)[新規レイヤー]ウィンドウの「レイヤー塗りつぶし方法」で[白]を選択して[OK]ボタンをクリックします。

新規レイヤーを移動する方法(GIMP2.2)規作成した白いレイヤー[新規レイヤー]をドラッグして、切り抜いた花のレイヤー[背景 コピー]の下に入れます。

切り抜いた画像の背景を白く表示するの様な状態にすれば、余分ないらない部分がはっきりわかりますので、[消しゴム]ツールをなどと使って消しやすくなります。後はお好みに修正や加工をしてください。