古いMacBookの延命策

2006年の夏に購入したMacBook1,1は、その翌年には1年間の保証期間が切れるのを待っていたかのようにDVDドライブが壊れ、さらに数年後にはバッテリーの膨張であわやハードウェアの損傷か?とういトラブルが起きた。しかたないから蓋と一体型のバッテリーをはがし取り、ガムテでなんとかその体裁を維持している。

そんなMac君もお茶の間の娯楽用PCとしてはインターネットや動画再生でたくさん活躍してくれました。そしてこれからも充分使えそうなほど、前出のハードウェア以外は全く問題なく元気ハツラツなMac君。さすがアップル!伊達にニュートンにかじられちゃいません。

話は飛びますが、マイクロソフトはお釈迦さまの生まれた日(日本時間では4/9)にWindowsXPのサポートを終了するというじゃぁありませんか。サポート終了後も使い続けられるXPを狙って、よりいっそう攻撃が増加するという予想もされてますが、被害に遭わないためにも早めに使用をやめた方が無難かもしれません。

娯楽目的ではMacBookWindowsXPメインでしか使用してこなかったバチ当たりな私ですが、今後Mac OS-X一本でMac君と付き合わなければなりません。とは言うものの購入当時のタイガーのままバージョンアップしてないので最新の動画再生ソフトなどがインストールできません。これではOS-Xも使い続けられず、このままではジャンク同然です。

Webの表示&動作テストの用途としての当初の役目を終えて以降、Mac君にはなんにも手当をしていなかったのが今になって悔やまれます。かといっていまさらOSをアップグレードするほどの価値もない。中古ノートを買うための資金調達でヤクオフに出しても買い叩かれるのがオチ。

Mac Book 1,1 にUbuntuを!

で、現在インストールしているXPを削除してLinuxがインストールできないか検索したらたくさんヒットする!おお「捨てる神あれば拾う神あり」ですね。中古のThinkPadでも買おうかと動かしはじめてた食指を止めることにした。

記事の多さではUbuntuのインストールが圧倒的で、短時間で確実にセットアップしたい私にとっては選択肢はそれしかなさそう。

https://help.ubuntu.com/community/MacBook1-1/Lucid を見ると少々問題はありそうだけど充分使えそうな雰囲気。XPのときもキーボードなどいろいろ不便な思いをしてきたわけだし。簡単にUbuntuがインストールできれば言うことなしなのだ。

インストールに関しては https://help.ubuntu.com/community/MactelSupportTeam/AppleIntelInstallation に記されている。Ubuntuのシングルブートも可能らしいが、ここはやはり何かあったときのためにデュアルブートの道を選択する。

まずブートローダーの rEFIt をインストールする。OS-Xのバージョンが古すぎてインストールできるかドキドキしたがあっさり通った。

BootCampを起動して一度XPの領域を削除してから再度Linux用のディスクスペースを確保しなおす。このときBootCampに試用期限切れで使えないと怒られるww。当時ベータバージョンで配布されていたものなのでしかたないのか?Macの日付を2007年に戻してから起動し直して無事にクリア。

あとはUbuntuのisoイメージからインストーラを起動できればOK。最新のバージョンにしたいところをぐっとこらえて、上のリンク先にあるように10.04をインストールしてからバージョンアップしていくのが無難そう。それより高いバージョンではドライバーがサポートされてないという記事も見たような気がするし、(直接関係ないけど)以前 Pentium M のマイクロPCにUbuntuサーバをインストールしようとしたときpaeサポートの問題で10.04.4LTSをインストールしてから順次バージョンアップしなければならない事もあったからだ。

光学ドライブが壊れているので、USB接続のCD/DVDドライブにUbuntuのisoイメージディスクを入れてMacを再起動…。ところが黒い画面のまま、いつになってもドライブから読み込みが始まらない。他のマシンのインストールに使った違うバージョンのUbuntuでやっても状況は変わらず。やはり、内蔵ドライブじゃないと起動できないのか?USBメモリーからはどうかと思って、Universal USB Installerを使って作成したが、これもダメだった。

あれやこれや検索ワードを変えてググってやっとたどり着いたのがココ http://gfs.sourceforge.net/wiki/index.php/Live_Ubuntu_Gerris_distribution

私と同じ境遇(内蔵光学ドライブが壊れている)の人がこれを解決してるじゃぁないですか!一筋の光明。

要はパーティション無しのライブUSBインストールイメージを作成すればい良いということらしい。それってどういうこと?

いろいろ考えたり戸惑っていても時間がもったいないので実行あるのみ。(※以下は備忘録を兼ねて記していますが、なにか抜けがあったらご容赦を)

Ubuntuの起動USBメモリーを作る

仕事で使ってるUbuntuマシンがあるので私はそれを使ったが、Ubuntu環境が無い場合はMacでも出来そうかな。ここでは上記サイトで紹介されているやりかたを、自分の環境で行った結果を記しています。

1. USBメモリーをフォーマットする

事前にUSBメモリがどこに割り当てられているのか調べる。アプリケーション >> ユーティリティ >> ディスク を起動して、デバイスのリストでUSBアイコンのドライブをクリックして、それに関するプロパティを見るか、$ sudo fdisk -l を実行して取得する。複数のUSBデバイスが接続されていると、どれがどれだか分からない場合もあるので要注意。

/dev/sdX のXの部分はそれぞれの環境に合わせて書き換える

$ sudo mkfs.vfat /dev/sdX -I
既にFATフォーマットされていたら、これはやらなくてもOK

2.Ubuntuのisoイメージをマウントする

はisoイメージのパス


$ sudo mkdir /media/ubuntu-disk
$ sudo mount -o loop /media/ubuntu-disk
mount: ブロックデバイス /ubuntu-ja-10.10-desktop-i386.iso は書き込み禁止です、読込み専用でマウントします

3.USBメモリーをマウントする


$ sudo mkdir /media/usb
$ sudo mount /dev/sdX /media/usb

4.USBメモリーにUbuntuファイルをコピーする

※コピーでちょっと怒られますが、無視して進めてOKみたい


$ cd /media/ubuntu-disk
$ sudo cp -rf casper disctree dists install pics pool preseed .disk /media/usb
cp: `disctree' を stat できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
cp: シンボリックリンク `/media/usb/dists/stable' を作成できません: 許可されていない操作です
cp: シンボリックリンク `/media/usb/dists/unstable' を作成できません: 許可されていない操作です
$ sudo cp -rf isolinux /media/usb/syslinux
$ cd /media/usb/syslinux
$ sudo mv isolinux.cfg syslinux.cfg

5.ブート可能なUSBメモリーにする

自分の環境にはmtoolsがインストール済みだったので実際はsyslinuxだけをインストールした


$ sudo aptitude install syslinux mtools
$ cd ~
$ sudo umount /dev/sdX
$ sudo syslinux /dev/sdX

MacBookUbuntuをインストールする

上記手順で作成したUSBメモリーをMacBookに刺して電源を入れる。ブートマネージャーのrEFIt画面にOSのアイコンが並ぶ。左からリンゴ、ウィンドウズ(っぽいアイコン)、ペンギン。ペンギンをクリックする・・・・・・・ちゃんと起動する、やっとここまでこれた。

インストーラを起動して普通にインストール作業をすすめる。ただここで一つ失敗したことに気付かされた。スワップ用のパーティションを切っていなかったことだ(Boot Campを使ってパーティションを切るのは間違いだったかもと少し後悔する)。後戻りはめんどうなのでスワップ領域は後でファイルとして持つようにすることにして、Ubuntuのインストールを続行する。それから、キーボードに不安があったのでログイン時にパスワード入力を必要としない自動ログインを選んだ。

スワップ領域以外は躓きもなくすんなりインストールできた。USBメモリーを抜いて再起動すると、ブートローダーに表示されるリンゴアイコン右隣りのウィンドウズアイコンがペンギンに変わっている。ペンギンをクリックすると待望のUbuntu10が今までの苦労が嘘のようにフツーに立ち上がった。ホッとする。仕上げは12.04LTSへのアップグレードだ。

アップグレードはアップデートマネージャーに従って進めることにした。結局 10.04LTS ⇒ 11.04 ⇒ 11.10 ⇒ 12.04LTS の三回アップグレードすることになる。この途中、11.04でキーボードが意図しない文字を入力するようになり焦ったが、マウスを使って12.04LTSまで無事にインストールできた。自動ログインにしておいて良かったぁ。(※10.04LTSからアップデートするときには/etc/apt/sources.listファイルを修正する作業が発生する。本家からダウンロードしたisoならその必要は無いかも)

Ubuntuをインストールしたらやること

Ubuntu12までアップグレードできたらシステムのアップデートの他、やらなければならない事や、やっておいた方が良いことがいくつかある。

スワップ領域を確保する

インストール時にスワップ領域を作れなかったので、一応メモリーと同じ分だけ確保する。


$ sudo dd if=/dev/zero of=/swap bs=1G count=2
$ sudo chmod 600 /swap
$ sudo mkswap /swap
$ sudo swapon /swap
/etc/fstabに以下を追記する

/swap swap swap defaults 0 0
再起動してスワップ領域が確保されているか以下のコマンドを実行するか、システムモニターを開いて確認する。

$ cat /proc/swaps

イヤホンジャックから音声が出ないのをなんとかする

内蔵スピーカーからは音は出るが、イヤホンジャックにヘッドフォンを刺しても音が出ない。
ソフトウェアセンターでgnome-alsamixerをインストールする。それを起動するとSpeakerのスライダーが二つあるので、そのどちらかがイヤホンなのでいい感じになるまでスラーダーを上げればよい。

デスクトップを変更する

好き嫌いがあると思うが、私はUnityデスクトップが嫌いなのでいつも古いタイプに戻している。ソフトウェアセンターにてgnome-session-fallbackを検索してそれをインストールする。

デスクトップをカスタマイズする

家族も使うので、デスクトップ画面にごみ箱やネットワークアイコンを表示させることにする。以下のコマンドを打つかソフトウェアセンターで「Advanced Settings」を検索してインストールする。


$ sudo apt-get install gnome-tweak-tool
起動するときは アプリケーション ⇒ システムツール ⇒ 設定 ⇒高度な設定をクリックする。gnome-tweak-toolを端末で打っても良い。表示されたダイアログのデスクトップタブをクリックして。デスクトップに置きたいアイコンのトグルスイッチをクリックしてONにする。

  • Have file manager handle the desktop ※これをONにしないとそれ以下の設定が有効にならない
  • Computer icon visible on desktop ※コンピュータアイコン
  • Home icon visible on desktop ※ホームアイコン
  • Networks Servers icon visible on the desktop ※ネットワークアイコン(我が家ではNASに置いてある動画ファイルを探すときに多少便利)
  • Trash icon visible on desktop ※ゴミ箱アイコン
  • Show mounted volumes on the desktop ※外付けUSB接続のHDDやメモリーなどがあった場合に表示されるアイコン
タッチパッドの動作設定

初期状態ではタッチパッドでのスクロールが無効になっているので、システム設定 ⇒ マウスとタッチパッドタッチパッドタブ を開いて「二指でのスクロール」を選択して「水平スクロールを有効にする」にもチェックを入れる。二指での操作が苦手ならエッジスクロールにすると良い。タッチパッドの上下左右の端で指を滑らすとスクロールするようになる。ちなみにデフォルトで二指タッチ(または二指+クリック)でコンテキストメニューは開けるようになってる。

快適なUbuntu on MacBook

セットアップ作業で別途ドライバーをインストールする必要性に迫られることもなく無事に終了。初期状態でファンクションキーの明暗調整や音量設定も機能するし、WindowsXPではハイバネートすると復帰できなかったが、Ubuntuではちゃんと機能している。Wi-Fiや有線Lanもまったく問題ない。以前のようにインターネットや動画再生に快適に使えるようになりました。またしばらく活躍してくれそうで〜す。