GIMP2.4のPerspective Clone を使ってみる


Perspective Cloneを使った作例 GIMP2.4からスタンプツールの機能発展版として[Perspective Clone]が加わりました。日本語で言えばさしずめ遠近効果スタンプ…でしょうか?美術の授業で習った遠近法の線のように、画面上でその設定をすることで遠近に応じた大きさを自動的に割り出してスタンプする機能です。
右図のような絵が数十秒で描けてしまいます。

Perspective Cloneの使い方

Perspective Clone の起動方法 [Perspective Clone]ツールの起動は[道具]タブをクリックして表示されるメニューの[描画ツール]の[Perspective Clone]をクリックするか、ツールパレットのアイコン(右図赤枠)をクリックします。

パースの設定の仕方 この手のツールは[Lens Distortion]同様とに建築・建設関係で使われることが多いのではないでしょうか。そう考えると同一画面の画像をコピーしてスタンプするというよりも、別レイヤーの画像をコピーしてスタンプするという使い方が多く用いられるのでは?ということで、赤い色で「ABC」と描画した図を別レイヤーに用意してPerspective Cloneを使ってオフィス街を「ABC」で埋め尽くしたみたいと思います。(別にABCマートなどとの関連性はまったくございません)
まず遠近感の設定ですが、「モード」で[Modify Perspective]を選択して画面をクリックすると現れる四隅の四角をドラッグして移動させます。この場合は「ABC」の文字がビルにくっついたように描かれていますから、ビルの窓のラインに沿うように線の傾きを調整します。

画像ソースをコピーする方法 画像ソースをコピーするときは、「モード」で[Perspective Clone]を選択して、対象のレイヤー(この場合は新規レイヤー)を選択状態にして[Ctrl]キーを押しながらコピーしたい部分をクリックします。

スタンプの仕方 スタンプするときは、スタンプしたいレイヤーを選択してそこにスタンプします。この場合は[背景]レイヤーにスタンプしました。これをたくさんスタンプして出力したのが冒頭の画像です。

いろいろな使い方

大胆なパース設定で変わった表現も可能 図のようにパースを設定するとい異次元的?な描画が楽しめます。

リアルな漫画的表現例 それぞれ別のレイヤーにスタンプして、明暗の調子をつけるとリアル感のある漫画チックな表現ができました。一個いっこサイズや形を変えて描くのに比べて、パースの設定だけなのでコピーする数が多くなるほどその作画スピードの差は歴然です。趣味でGIMPを使うぶんにはあまり出番のないツールかもしれませんが、こうやって遊ぶと結構面白いです。