画像からいらないものを消す


背景の邪魔なものを消した例 いらないものを画面に入れないということは、上手な写真の条件でもあります。しかし屋外での撮影で目障りなものがあるからといって、おいそれと別の場所に移動したり取除いて撮影することなどできません。せいぜい落ちている空き缶やゴミを掃除できるくらなものです。

『これさえ写っていなければもっと素敵な写真になったのに!』の「これ」を簡単に消し去るのにもGIMPは役立ちます。

この写真は「GIMPで画像をトリミングする」で使用した北海道神宮でのひとコマです。面白いシーンなのですが男性の向こう側に写っている看板のようなものが邪魔でしかたありません。今回はこの看板を消すのを例にして解説いたします。

スタンプツールと領域選択のコピーで邪魔な看板を覆い隠す

パターン的な単純な部分は、領域選択でコピーをしたものを貼り付けて覆い隠して、細かな部分はスタンプで塗りつぶします。

領域選択のコピーで覆い隠す

領域選択を使う例 まず最初に背景の建物の屋根の部分をコピーして屋根にかかっている看板を消します。右図のように看板すぐ右横のエリアを[矩形選択]ツール(矩形領域を選択する)を使って選択します。このとき[境界をぼかす]にチェックを入れ、半径に適宜値(この場合は3〜5くらい)を設定しておくと画像のなじみがよいでしょう。[Ctrl]キー+[C]キーを押すか、[編集]タブをクリックして表示されるメニューで[コピー]をクリックして選択領域をコピーします。

新規レイヤーにコピーした部分を果て移動可能にする コピーしたら[Ctrl]キー+[V]キーを押すか、[編集]タブをクリックして表示されるメニューで[貼り付け]をクリックして選択領域を貼り付けます。あとで位置の調整などができるように新規レイヤーに貼り付けたいので、[フローティング選択領域]レイヤーで右クリックして表示されるメニューで[新規レイヤー]をクリックします。

貼り付けた画像を移動して邪魔な箇所を覆い隠す 屋根の部分を貼り付けたレイヤーを選択状態にします。[移動]ツール(レイヤーや選択領域の移動)をクリックして貼り付けた画像をドラッグして看板を被います。目安は軒下の白の点の感覚が等しくなるような位置におきます。

面積が足りない場合は複製して覆い隠す 左側がまだ足りないので、上で作ったレイヤーをコピーして余計な部分を消します。

  1. 「レイヤー」ウィンドウで先ほどのレイヤーを選択して[レイヤーを複製]ボタンをクリックして複製します
  2. [消しゴム]ツール(消しゴムで背景色や透明に戻す)をクリックして、
  3. ブラシに適当なものを選びます。背景とのなじみが良いように[Circle Fuzzy]が良いでしょう。サイズは19を選びました。
  4. 男性の後頭部付近を被っていた屋根の画像の一部分を消します。
スタンプツールで邪魔な部分を塗りつぶす

位置揃えで揃えないで塗る例 男性の背中の部分の看板を消します。

  1. [背景]レイヤーを選択状態にして、
  2. [スタンプ]ツール(パターンあるいは画像の一部で描画する)をクリックします。
  3. 一箇所の黒い部分で塗りつぶせばいいので、オプションメニューで図のように設定します
  4. 画像ソースをピックアップして背中の部分にある看板を消していきます

スタンプツールの使い方に関しては、「スタンプの基本操作について」で解説していますので参考にしてください。

位置揃えで揃えて塗る例 こんどは[スタンプ]ツールのオプションメニューの「位置揃え」を[揃える]にして看板の柱をすーっとドラッグして消します。この場合だと常に真横の画像ソースを描画するように塗っていきます。右側と左側にある看板の柱をそれぞれ処理すれば終了です
※ちなみにこの図では[フェードアウト]にチェックを入れていますが、間違いです。入れないほうが良いでしょう。