GIMP2.4の新機能「前景部分選択」を使ってみました


ダルマサボテンのデジカメ写真を前景部分選択で切り抜いた例 GIMP2.4から新しい領域選択ツール[前景部分選択](Foreground Select)が加わりました。[あいまい選択]ツールと[クイックマスク]を合体させたようなツールです。あらかじめ選択領域の範囲を決めてから領域部分を抽出するので、[あいまい選択]に比べて過選択領域を最小限にとどめることができます。

この写真は領域選択するのが簡単なパターンですが、実際に[あいまい選択]と比較して作業してみましたが、[前景部分選択]のほうが速く処理することができました。このサボテンの花は一分もかからずに切り抜くことができました。

前景部分選択ツールの使い方

前景部分選択ツールの起動の仕方(GIMP2.4) ツールの起動は[道具]タブをクリックして表示されるメニューから[選択ツール]の[前景部分選択]をクリックするか、ツールパレットの赤枠に示したボタンをクリックしてください。

大雑把に輪郭線を囲む マウスをドラッグして対象の部分の輪郭を描きます。この図の場合はもっと大雑把で大丈夫です。逆に背景が似たような色合いの場合、例えば花がいくつも重なっている場合などはなるべく花の輪郭に忠実に描くべきです。マウスを放すと描いた線の外側が[Preview color]で選択されている色で覆われます。青の他に赤と緑が選べます。対象物の色によってわかりやすい色に変えると、未選択領域ができたときの対処が楽です。またこの色は常に変更可能です。

領域選択したい色の部分を塗る 花自体を領域選択したいので花の中を塗ります。塗る色はわかりやすい色で塗ると良いでしょう。塗っている部分にある色が選択対象になるので、花の輪郭の内側の色の違う各所を塗ると一回の作業でパシっと選択することができます。塗りつぶす必要はありません。右図よりももっと大雑把でも構いません。

未選択部分は同じように塗って選択部分に加えていく マウスを放すと選択領域になる部分以外がPreview colorで塗りつぶされます。右図では赤枠の部分にまだ未選択領域が残っていますので、選択領域に含まれるようにこの部分を塗っていきます。逆に過選択になった部分は[Ctrl]キーを押しながら塗ります。*1

領域選択完了 選択領域の確定は[Enter]キーを押します。右図は領域選択された状態です。さらに細かな修正を入れたい場合は、クイックマスクにて修正したり、またパスに変換してパスで輪郭線を整えたりして修正する方法もあります。場合に応じて処理してください。

花を切り抜いたところ 領域選択状態からこの花を切り取るには、[選択]タブをクリックして表示されるメニューで[反転]をクリックして、[編集]タブのメニューで[切り取り]をクリックすることで、図のような状態になります。

*1:過選択の部分が多い場合は、このツールで修正するとそのた度に選択処理されるので時間が掛かります。[Enter]キーを押して選択領域を確定してから、クイックマスクに切り替えて修正したほうがスムーズな修正ができます。