GIMPで画像を切り抜く(その5)


マウスで絵を描くように対象物を切り抜く

GIMPで画像を切り抜く(その3)や(その4)では線で囲んで切り抜きましたが、クイックマスクはマウスを使って塗りつぶすことで領域を選択します。(その1)や(その2)で解説した[あいまい選択](隣接(色)の領域選択)による切り抜きを手作業でおこなう感じです。最もわかりやすくてとっつきやすく、さらにクイックマスクに[パス]や[あいまい選択]ツールなどを併用することで臨機応変に、そして切り抜きのスピードアップをはかることができます。クイックマスクとは昔の写真製版で使われていたオペークのような感じです。

[クイックマスク]ツールボタンとメニュー(GIMP2.2)像ファイルを表示するウィンドウの左下にクイックマスクの切り替えボタンがあります。クリックすると画像が赤っぽくなります。ボタンを右クリックするとメニューが表示されますので、この色や透過率などの設定をすることができます。

[クイックマスク]ツールボタンとメニュー(GIMP2.2)ニューで[色と不透明度を設定]をクリックすると、「クイックマスク属性を編集」ウィンドウが表示されます。[マスク不透明度]の数字を大きくするほど画像が見えにくくなります。小さくするほどマスクの色が薄くなります。[マスク不透明度]スライダーの右横の小さな色のスペースをクリックすると「クイックマスクの色を編集」ウィンドウが表示されます。作業しやすい色をここで設定してください。

[クイックマスク]で地道に塗りつぶして切り抜く

[ブラシ]ツールの設定(GIMP2.2)『電脳はさみやパスなんて覚えるのは面倒くさい』という方にも、地道に塗りつぶしていけば、どんな対象物もきれいに切り抜くことができます。まずは塗りつぶすためのブラシの設定をします。赤枠で囲んだ黒丸のアイコンをクリックしてください。

[ブラシ]ツールの設定(GIMP2.2)ブラシ」ウィンドウで、[新規ブラシ]ボタンをクリックしてください。

ブラシエディタでパラメータを変えながら塗っていく(GIMP2.2)「ブラシエディタ」ウィンドウを表示させながら、最初はブラシ太くしてザックリと塗ります。ブラシの太さは[半径]の数字を大きくすると太くなります。だんだん細くして細かい部分も塗り込んでいきます。また描画色は白にすると抜けて、黒にするとマスクの色に戻ります。中間色はその色の濃さに応じた半透明になります。

境界をはみ出ないように内側を丁寧に塗る(GIMP2.2)界よりやや内側までを丁寧に塗ります。他の例と同じように、境界をぼかすために多少マージンを取って塗り残しておく必要があるのです。

ブラシをぼかして境界を塗る(GIMP2.2)「ブラシエディタ」の[強度]を0付近にして[間隔]は10前後に設定するとボカシの入ったブラシとして使えます。この設定で境界付近を丁寧に塗ります。設定はいろいろ変化させて使いやすい数値を見つけてください。

全て塗り終えた画像(GIMP2.2)終的にはこんな感じになりました。

選択領域に変換する(GIMP2.2)り終えた部分を選択領域に変換するには、画面左下にある[クイックマスク]ボタン(クイックマスクの切り替え)をクリックします。

クイックマスクで切り抜いたチューリップ来上がりの画像です。クイックマスクには[パス]や[あいまい選択]も使用できるので、使い方に慣れていればこれらのツールを使って塗りつぶす時間を短縮することができます。