GIMPでレタッチ、女性の肌をより美しくする方法


●ニキビ、吹き出物、テカリを修整する記事はこちら→ニキビ、ソバカス、テカリの肌をきれいに修正する
●GIMP2.4からはHealツールという強い見方が装備されました。これを使えば深いシワやほうれい線までもきれいに消すことができます→GIMP2.4の「Heal」でシワやほうれい線を消す
プロフィール画像は少しでも良く見られたいもの業やショップのホームページに掲載するスタッフのプロフィール写真でいつも頭を悩ませることがあります。とくに女性はあまり載せたがりません。プライバシー的な問題以外に、『きれいじゃないから』とか『自信がないから』というのがもっぱらの理由。有名で大きな企業やショップでない限り、商売に使うホームページは『人』がいのちです。『人』の存在感の薄いホームページでは、たとえ商材やサービスについて事細かに説明して、アクセスしてきた人を繋ぎ止められても、いざ購入となると思いとどまる確率は高くなります。人は人からモノやサービスを買うという習慣がついているから、そうなるのも頷けます。額が高くなるほどその傾向は強くなります。しかし、少しでも売上につなげるためにとお願いしても、掲載用の顔写真はなかなか提供していただけないことがあります。

の立つカメラマンとメイクさんがいるスタジオで撮影すれば、ホームページにも堂々と載せられる写真が撮れるでしょう。しかしこのご時世ですからどんな企業にもそんな予算はありません。手持ちのデジタルカメラで、普通の室内で、普通に撮影した写真では、きれいに写っていないという理由で大概の女性(特に年配の方)は首を縦には振りません。OKが出たとしても『すごく小さく掲載してください』とか『集合写真なら…』という注文が出てしまいます。

かしこういったことはプロフィール写真だけに限りません。旅行や飲み会の写真をプリントして友人や会社の仲間に配るときも、思ったほど上手に撮れていないケースがたくさんあります。中には『え〜なんか綺麗に写ってなぁ〜い』などとあからさまに言う人もいたりします。こんなとき『カメラは嘘はつきませんから』などとは絶対に口にしてはいけません。つぶやいてもいけません(^_^)プリントする前にちょっとした修整をすることで、友人や会社の仲間から、とくに女性から喜ばれる写真になります。

GIMPで肌をきれいに修正する

プロフィール画像 ビフォー&アフター(GIMP2.2)GIMPの機能を使えば、肌のシワ、タルミ、クスミ、荒れ、吹き出物etcをいとも簡単に取り除くことができます(と書くとインチキな化粧品みたいですね)。写真の女性は某中小企業の相談役の方で、ホームページのスタッフプロフィールに掲載するために撮影し、修整したものです。メガネをかけて誰だかわからないようにすればよいという条件のもとで、特別にKさんの例をここでご紹介する許可をいただきました。なので、メガネはあとから合成で付けています。

サイドは修正したときに使用した大きさで、中心の2枚がそれぞれホームページ掲載時の大きさとなります。そして右側がGIMPで修正した画像です。細かな「しわ」や「くすみ」が軽減されて、ぱっと見の印象が大きく変わります。大きなサイズのままでは、少し修整の度が過ぎて違和感を感じますが、縮小したときのことを考えると、これくらいに加工したほうが好ましいと思います。縮小するとほんのちょっとの違いでしかなくなってしまうのですが、口の周辺と額のシワ、そして首のたるみが滑らかになって、かなり若くなった印象を受けます。この違いをお見せすると、大体の方は納得していただけます。

編集作業は小さめの画像にしてから…(GIMP2.2)れでは実際にやってみましょう。保存してある画像のサイズにもよりますが、実際に使用するサイズの2〜3倍程度の大きさまで縮小します。縮小方法は[デジカメ画像修正ソフト]GIMPで少し高度なトリミングに解説しています。
この例では横120ピクセルで実際に使用するのですが、修正時のサイズは横290ピクセルでおこなうことにします。あまり大きなサイズでは、パソコンの性能によっては処理時間が長くなって、プレビューするのにいちいち待たされることになってイライラしてしまいます。準備ができたら、次に顔の部分を領域選択します。
領域選択するための画像をレイヤーに複製します。[ダイアログ]タブをクリックして表示されるメニューから[レイヤー]をクリックして[レイヤー]ウィンドウを表示させます。ここで[背景]レイヤーを選択して、右クリックで表示されるメニューから[レイヤーを複製]をクリックしします。ちなみに一番上の[glass]レイヤーはメガネ画像のレイヤーです。

電脳はさみで顔を領域選択する(GIMP2.2)[電脳はさみ]ツール(画像からの形状選択)をクリックして、オプションメニューの「境界をぼかす」の[半径]に10前後を設定します。画像のサイズによって適宜調整してください。これで肌の境界部分をポチポチとクリックしていきます。領域選択については「GIMPで画像を切り抜く」で5回にわたり解説しました、[電脳はさみ]ツールだけでなくあなたの最も使いやすいツールを使っていただいてかまいません。それぞれの詳しい使い方については下記のリンクからどうぞ。
●電脳はさみの使い方はこちら
●パスを使う方法はこちらまたはパスの基本操作について
●クイックマスクを使う方法はこちら

選択領域を反転して切り取りる(GIMP2.2)を引き終えたら内側をクリックして選択状態にします。背景を切り取るので[選択]タブをクリックして、メニューから[反転]をクリックします。Ctrlキー+Xキーを押すか、[編集]タブのメニューで[切り取り]をクリックしてください。

選択ガウシアンぼかし(GIMP2.2)[フィルター]タブをクリックして表示されるメニューから[ぼかす]をクリックし、さらにそのメニューから[選択ガウシアンぼかし]をクリックします。

選択ガウシアンぼかしの設定と動作(GIMP2.2)「選択的ガウシアンぼかし」ウィンドウが表示されたら、顔全体が見える程度までウィンドウを広げてください。[プレビュー]にチェックを入れ、[ぼかし半径]と[最大△]の値を変化させながら丁度良い見栄えになるまで調整します。[ぼかし半径]が大きいほど処理するのに時間がかかります。[最大△]が大きいほどぼやけた画像になります。シワが深くやシミが多い場合は[ぼかし半径]を大きめ(この画像の大きさだと10〜15)にするといいでしょう。今回は[ぼかし半径]を12、[最大△]を26にして[OK]ボタンをクリックしました。画像の大きさや処理する対象のボカシ具合によって設定値が大きく変わるので、最初は小さな値から徐々に上げていくといいでしょう。

必要ならば最後に微調整する(GIMP2.2)れでいいかなぁと思ったらとりあえず[OK]ボタンをクリックします。そして、「レイヤー」ウィンドウの[背景コピー]レイヤーの目のマークの部分をクリックして状態を見比べてください。あまりにもやり過ぎているようでしたらCtrlキー+Zキーを押していくつか前まで戻って(または[編集]タブメニューの[取り消し]履歴で任意の場所まで戻って)やり直すか、レイヤーの[不透明度]の数値を下げて調整する方法もあります。[不透明度]を下げると、下の[背景]レイヤー、つまり修整前の顔が透けて見えてくる状態となります。

れいな人はもっと美しく、そうでない人はそれなりに美しく…。(もちろんKさんは前者ですから)それが実現できるのがGIMPです!ぜひ活用してください。