フリーソフトで画像修正&作画にチャレンジ

 ITを活用するうえで最も中心的なことは文字を読み書きすることですが、画像を自在に操れることは、文字情報を補うという意味では、もはやリテラシーの一部として重要な位置を占めています。ペイントツールとしては最高の性能と機能を備えたGIMPを中心に、主にフリー(無料)のグラフィックソフトを使って画像の加工や作成をわかりやすく解説していきます。

 高機能なグラフィックソフトの使い方で初心者がもっとも難儀するのは、多数のボタンやアイコンの中から自分の目的とする機能を持つツールを探し当てることだと思います。多機能であるがゆえ、ぱっと見た感じが難しそうに思えるのしかたの無いことです。そのため解説ページを見ただけで初心者でも理解できるよう詳しく記述するよう努めます。ですのでソフトの操作に慣れた人には多少冗長な説明になっているかもしれません。解説ページが長くなりがちですが、操作になれている人ならそれ程時間の要する作例はほとんどありません。絵とか写真の加工が苦手だった人もこれならデキルかもしれません。

 作例に使っている写真画像は、店頭販売価格が2〜4万円の一般的なコンパクトデジカメで撮影したものです。高価なデジカメを使わなくても、また、うまく撮れなかった写真でさえも、GIMPでレタッチすることできれいに修整して、みんなに自慢できる写真に生まれ変わらせることができます。

 ここでご紹介するデジカメで撮影した画像の修正や加工は、ブログやホームページへの掲載を主な目的とした内容となっています。『自分のブログを引き立てたい』『ロゴやタイトルを自分の手で作りたい』『失敗した写真を修正して復活させたい』という方々に向けて日々コンテンツを増やしていきたいと考えています。

作例INDEX

GIMPのバージョンとインストールについて

前の記事でご紹介したGIMP 2.0は、いくつかの不具合が散見されましたので、今後画像修正や作画する際の説明はGIMP 2.2での説明とさせていただきます。

GIMP2.2のインストールの解説とダウンロードに関しては「GIMP2を使おう」に大変詳しく紹介されています。まず
GTK+2 for Windows (version 2.10.13)
GIMP for Windows (version 2.2.17)
をダウンロードして「インストール手順」を参考にインストールします。
※ヘルプはインストールされていませんが、現在日本語バージョンが無いそうです。英語版でもOKの方は上記サイトからダウンロードできます。但し本体を日本語化しているとツールの名前が英語で何かがわかりません。検索するのが結構大変かと思います。英語が堪能の方は日本語化しないでおくと英語のヘルプが有効に使えます。

 2007年10月24日にGIMP2.4がリリースされました。このサイトでも一部新機能に関して記事を掲載しておりますが、まだ日本語化など不十分な点もあり、解説記事は当分の間GIMP2.2を使っていきます。またGIMP2.2とGIMP2.4は同じパソコンで別々に使用することができますので、GIMP2.4もインストールしておくと、新たに加わった機能が使えて便利だと思います。

インストール方法に関してはこちらから→「GIMP2.4のインストール
(2007-10-30 記)

今日の技

GIMPを起動したときに表示される「今日の技」はとても有用な内容ばかりです。[ヘルプ]タブからもいつでも起動できるのですが、ぱっと一望できるように以下に引用させていただきます。(*罫線内が引用部分です)

GIMP ではほとんどの変更はやり直しがきくから、気軽に試すといいよ。

[編集]タブをクリックして表示されるメニューから、[取り消し履歴]をクリックすると「取り消し」ダイアログが表示されるので、任意の場所をクリックすることで、その時点の作業まで一発で戻すことができます。

F1 キーを押すことでいつでも GIMP 機能の状況適応ヘルプを呼び出すことができるんだ。これはメニューの中でも使えるよ。

ヘルプがインストールされていないと「GIMP ヘルプがインストールされていません。…」と表示されてしまいます。インストールしてあるとブラウザが立ち上がってヘルプを表示します。

GIMP ではレイヤーを使って画像をまとめることができるんだ。まぁスライドとかフィルタを積み重ねたものをすかして見ているようなものだと思ってくれればいい。

レイヤーダイアログ内のそれぞれのレイヤー名の上で右クリックをすることで、レイヤーに対するいろんな操作が行えるんだ。

後でまた編集をする画像を保存する時には、GIMP 固有形式の XCF を使おう(拡張子は .xcf)。これは作業中の全ての状態を記録してくれるんだ。画像を完成させてから、JPEG, PNG, GIF として保存しようね...

"背景" という名のレイヤーは特別だよ。透明にしたり、レイヤーマスクを付けたり、レイヤーを上に移動させることができないんだ。透明にしたい場合にはレイヤーダイアログ中で右クリックして、"アルファチャンネルを追加"を選択してやるといいよ。

大半のプラグインは今作業中の画像の有効なレイヤーだけに働くんだ。だから画像全体に効果を与えたいときには画像を統合 (画像->画像の統合) する必要があるんじゃないかな。

全部のプラグインが全ての種類の画像に使えるわけじゃないんだ。作業中の画像に対して使えないやつは、メニューが灰色になって選択できなくなってるはずだよ。そんな時には RGB 形式にしたり (画像->モード->RGB)、アルファチャンネルを加えたり (レイヤー->透明部分->アルファチャンネルを追加する)、画像を統合してみたり (画像->画像の統合) するといいかもしれないね。

GIMP の色々なものをドラッグ&ドロップすることができるよ。例えば道具箱や色パレットから色をドラッグして画像へドロップすると、その色で画像や選択領域が塗りつぶされるんだ。

描画ツール (絵筆、エアブラシ、鉛筆) を使っているときに Shift を押しながらクリックするとカーソルのところまで直線が引かれるよ。さらに Ctrl を押してやれば、直線が15度単位になるんだ。

表示されている窓よりも画像の方が大きい場合には、マウスの中ボタンでずりずり表示領域を動かせるよ。

目盛枠の上からドラッグすると定規を画像上に引き出せるよ。選択領域なんかはこの定規に吸いつくようになってるんだ。この定規は移動ツールを使って画像上から追い出すこともできるようになってるよ。

レイヤーダイアログから道具箱へレイヤーをドラッグして持っていくこともできるんだ。するとそのレイヤーで新しい画像を作るんだ。

フローティング選択は新規レイヤーか最後に操作したアクティブレイヤーに固定する必要があるんだ。レイヤーダイアログで "新規レイヤー" か "レイヤー固定"ボタンをクリックするか、メニューを使うのさ。

GIMP は自動 gzip 圧縮をサポートしているよ。単に拡張子 .gz を (bzip2 がある時には .bz2 の方がいいかな) 付けるだけで、自動的に圧縮されるようになってるんだ。もちろん、読み込む時にも自動で展開されるよ。

領域を選択し始める時に Shift キーを押したままにしておくと、その時の選択領域を置き換えるんじゃなくって、付け加える事が出来るんだ。Ctrlを押しながら始めれば領域をさっ引く事になるしね。

選択領域を作ってる最中に ShiftCtrl を押すことで、選択領域を正方形や正円にしたり、領域を対角じゃなくって中心と角で指定することもできたりするんだ。

Alt を押しながらドラッグすると選択領域の調節や移動ができるよ。もしウィンドウが動いてしまうのであれば、君の使っているウィンドウマネージャがすでに Alt を使ってるんだ。そういうときは Shift も押しながら試してみてね。

編集 -> ストローク描画 を使って現在有効なブラシで選択領域の縁に沿って描くことができるんだ。正方形や正円を書きたい時には便利だね。もっと複雑な図形を描きたい時にはパスツールや フィルタ -> 下塗り -> Gfig だね。
パスをストローク描画 (編集->ストローク描画) するときは現在の描画ツールの設定を使うんだ。グラデーションモードの絵筆やパターンを使ったスタンプツールや消しゴムやにじみツールだって使うことができるんだ。

パスツールを使って複雑な選択領域を作れるよ。パスダイアログでは複数のパスで作業したり選択領域に変換したりできるんだ。

選択領域を変えるために描画ツールを使うことができるよ。画像ウィンドウの左下の"クイックマスク"ボタンをクリックしよう。描画の変更が終わったらもう一度クリックしてやることでいつもの選択領域に戻るんだ。

選択領域をチャンネルに保存して (選択->チャンネルに保存)、描画ツールでこのチャンネルを修正することができるよ。チャンネルダイアログのボタンを使って、このチャンネルを表示したり選択領域に変換したりできるよ。

設定ダイアログで "動的キーボードショートカット" をオンにしておけば、ショートカットキーの割当を変えることができるよ。どんなメニューでもまずそのメニューを呼び出して、メニューにカーソルを当てた状態で、新しく割り当てるキーの組合せを押すだけで良いんだ。"ショートカットの保存" をオンにしておけば、GIMP の終了時に自動的に保存されるよ。

画面がきゅうくつな時は、画像ウィンドウで何回か Tab キーを押すことで道具箱やダイアログを出し入れすることができるんだ。

ファジー選択ツールではクリックした後に、左右にドラッグする事で選択領域を広げたり狭めたりできるんだ。

レイヤーダイアログで「目」のアイコンを Shift を押しながらクリックすることで、それ以外のレイヤー全部を隠すことができるんだ。もう一回同じ事をすれば全部のレイヤーが表示されるようになるよ。

レイヤーダイアログのレイヤーマスクの縮小表示を Ctrl を押しながらクリックするとレイヤーマスクの有効無効を切替えられるんだ。

レイヤーダイアログのレイヤーマスクの縮小表示を Alt を押しながらクリックするとレイヤーマスクを直接見るモードに切替えられるんだ。

Alt を押しながら Tab を押すとレイヤーを順に切替えられるんだ。(ウィンドウマネージャがこのキー割当を横取りしてなければね‥‥)

塗りつぶしツールでは Ctrl を押しながらクリックすると、背景色で塗りつぶすことができるよ。

変換ツールの回転モードでは Ctrl を押しながらドラッグすると、回転が15度単位になるんだ。

円形の選択領域を作るには、楕円選択ツールを使ってる時に Shift を押すんだ。さらに正確に位置を決める時には定規を円の接線となる場所に水平、垂直に置いておこう。で、最後に定規の交点にカーソルをもってこれば完璧さ。

スキャンした画像の色が減っちゃうときには、レベルツール (画像->色->レベル) で"自動"ボタンを使ってトーンを簡単に改善することができるよ。カラーキャストがあれば、カーブツール (レイヤー->色->カーブ) で修正することができるよ。