ハードディスクの交換時期を見極める

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耗品であるハードディスクの交換時期は何年何ヶ月とは決まっていません。私が個人で使っているパソコンや外付けハードディスクの場合は1〜6年の間に使用不能になっています。いつ壊れるか知れない、そんなハードディスの断末魔の叫びを聞く前に(否、叫ぶのはパソコンの使用者だ)、何とかその前兆をとらえるのに役立ちそうなソフトを導入して、ハードディスクの交換時期を見極められたら…そうでなくても何らかの兆候がつかめたら心の準備ができようというものです。

HDD Health のインストール

フトウェア自体は海外のものですが、日本語化ができるのでとっつきやすいと思います。もちろんフリーのソフトです。
日本語化に関してのダウンロードやインストール方法などの詳しい情報はこちらRiKu's On-Line HDD Health v2.1 Build 159 日本語化
HDD Health本体のインストールの詳細についてはこちらHDD Health インストール ガイド

ず本体の方から先にインストールするのですが、ポイントはFinishボタンを押す最後の画面で[Lanch Application]のチェックボックスを外すことです。そのままにしてFinishボタンをクリックするとHDD Healthが起動してしまうので、その後にインストールする日本語化プログラムが失敗してしまいます。もしそうなったとしても、ExitをクリックしてHDD Healthを終了させてからインストールすれば問題なく日本語化できます。

なみにパソコン内にあるハードディスクしか認識しませんので、外付けのハードディスクには使えません。下記で紹介しているSmartHDD Proは、一部メーカー製の外付けハードディスクを認識するようです。

HDD Health 以外の日本語で使用できるソフト

HDD Health の起動

動といっても、通常はタスクトレイに常駐しメニューの[終了]をクリックしない限りは常にハードディスクを監視している、といったタイプですので普通にインストールした場合であれば、パソコン起動時に勝手に監視が始まります。

HDD Health の操作方法

態を見たり設定をするには、タスクトレイのHDD Healthのアイコン上にマウスポインタを置いて右クリックをするとメニューがポップアップします。通常は[ハードディスク情報を表示]くらいしか使いません。

HDD Health の設定

れといった設定は必要ないですが、とりあえずやっておくとよい設定があります。パソコンのハードディスクに専用の冷却装置をつけていれば別ですが、普通に使うパソコンではハードディスクの温度が50度を上回ることはざらにあると思います。HDD Healthの[基準温度を超えた時に警告する]の初期設定は45度Cになっているので、ハードディスクの温度が高いゾという警告メッセージが頻繁に表示されことがあり邪魔です。(とくに夏は…) 危険温度とされる65度くらいに設定しておくと良いかもしれません。上記操作方法のようにメニューを出して、[オプション]をクリックするとHDD Healthのオプション画面が表示されるので、[警告オプション]タブを選択して[critical temperature]の設定温度を変えてください。(右画像参照)
その他の設定についてはアキさんのページHDD Health オプション設定について 図入り(英語版)で詳しく説明されていますので参考にされると良いと思います。

HDD Health でハードディスクを診断する

図の画像は購入してから一年未満のノートパソコンのものです。右下に表示されている「最短寿命   N/A」とはたぶん「not applicable」(該当なし)の略だと思われます。N/Aと表示されたからといって、まだまだ壊れるまでには余裕があるとは考えず、最短寿命を測定できるほどのデータが揃っていないという意味にとらえたほうがいいと思います。しかもこれは初回の起動時のものなので尚更のことです。何回も測定するうちにぽつぽつエラーが出て数値となって現れ、突然来月の日付が表示されたりもします。また現実ではありえない何十年も先の日付を表示することもありますので、あくまでも参考値として受け止めてください。それからこれは重要な事ではないですが、画面右中央の空白はハードディスクのメーカーロゴが表示されるようです。私が使っている日立や東芝製のものは空白のままですが、SeagateMaxtorのハードディスクはちゃんとロゴが表示されます。

て気になるSMART値を見ると、現在値の部分が100に近い値がズラリと並んでいます。これは健康な状態を表しているといって良いのかもしれません。温度(Temperature)の項目以外は高いほうがベターです。ちなみにSMARTの項目はメーカーや機種によってサポートのされ方が違うので、IDや項目名が違っていたり、項目自体があったりなかったりするようです。項目値自体も算定方法が標準化していないので機種によってまちまちといったところです。

ちらのハードディスクはSAMSUNG製のSMART値です、253という値が目立ちます。このハードディスクは1年半ほど使いましたが、動作不良が頻発してリタイアさせたものです。現在サブのバックアップ用に使っているのですが、何故か問題なく動いています。ハードウェア的に相性があわなかったのでしょうか。数値や項目の違いはあっても、共通していえることは[現在値]や[ワースト値]が[しきい値]を下まわるようになるとアウトということです。

経年劣化による故障の前兆を捉える

入後無事に4年目を迎えたSeagate製のハードディスクでは、寿命も年内中の日付が表示されるようになりました。この日付は日々変わり前述した通り当てになるものではなさそうです。今年初めの頃は5月の日付だったものが、最近キャプチャーしたこの画像では10月の日付になっています。またこれから秋も深まり気温が下がっていくと、ハードディスクの温度も下がるので日付はぐっと先に延びるはずです。しかし「Raw Read Error Rate」は年月とともに下がりつつあります。実際にこのようにエラー検知が増えて、あきらかに劣化が進んでいることを目で確認できると、そろそろ替えのハードディスクを用意しておこうかという気持ちにさせてくれます。ちなみに、上部にある名前の無いディスクはUSB接続のハードディスクです。SMART情報がUSB越しには取得できないので名前や項目の値は表示されません。またアイコン自体表示されない場合もあります。
それにしてもSeagate製のハードディスクの「Raw Read Error Rate」のしきい値はこんなに低いんだろう?・・・もう一台のディスクも6でした。

ハードディスクの交換時期を見きわめる

HDDHealthで前兆もキャッチできずに突然クラッシュしてしまうような場合を除いて、いつどの時期にハードディスクを交換するのか悩みます。[IT機器の選択]ハードディスクの故障は予測可能か?で紹介したhttp://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070219_disk_failures/の記事も考慮に入れつつ、次のどちらかでの交換になるのではないでしょうか。

  1. 壊れるまで使ってから交換する
  2. SMART値をにらみつつ最短寿命が自分が決めた範囲内に入ってきたら交換する

1)に関してはコストパフォーマンスが高いのですが、『来週は重要な仕事があるから壊れたら絶対に困る』などという場合はもちろん避けるべきです。インターネットやメールやゲームなどをするのが中心で、仕事以外のあまり重要でない目的に使われるパソコンであればこの方法でいいでしょう。
2)劣化が進むとSMART値は日々変化しますので、HDDHealthで表示される最短寿命の日付もその時々で違います。HDDHealthをインストールした時点で今日の日付が表示されても、しばらく測定が繰り返されていくと多少延びたりもします。日を追うごとに最短寿命の日付も先にずれていくこともあります。
使用しているパソコンを仕事で使用しているなど重要な場合は、最短寿命まで○○日を切ったら交換するとあらかじめ自分で決めておくことも一案かと思います。また、数値の増減が大きく変化するようになってきたら、故障寸前という見方もあるので、日々SMART値を観察して「こりゃダメかな」と実感できたときに交換するのもいいかもしれません。

ずれにしても、突然死的な状況が殆どといわれているハードディスクなので、結果的には「壊れてから交換する」パターンが殆どを占めてしまうのかもしれません。やはり日々のバックアップをきちんとすることで、いざというときに慌てない備えは必須です。データのバックアップだけでなく、True Imageなどのソフトを使ってハードディスクを丸ごとパックアップしておけば、交換して一時間後には元の環境で何事もなかったように作業できるのです。パソコンと長い間仲良く付き合っていくには、ハードディスクのクラッシュ時にいかにダメージを少なくできるかに大きなウェイトがかかっているように思います。