ハードディスクの故障

関連記事:ハードディスクに関する記事のINDEX

ソコンを何年か使っていると、過酷な使い方をしていなくても突如動かなくなることに遭遇することがあります。電源の故障や熱暴走によるCPUのクラッシュをそれぞれ1回づつ経験していますが、ハードディスクのクラッシュは4台のパソコンで十数回経験しています。このことから、ハードディスクがいかに消耗品であるかということが実感できます。

ードディスクの故障の原因はさまざまで、私が経験した故障の中で一番驚いたのが、煙を出して一瞬で動作が停止したことです。イッチュ〜ンと妙な音がして化学樹脂が焼け焦げた匂いとともに、白い煙が上がったときはあたふたしました。まさにクラッシュといった感じでした。

初はどこから煙が上がったのか見当もつきませんでしたが、パソコンの筐体を開けて鼻をクンクンさせるとハードディスク周辺がもっとも焦げ臭く、取り外してみるとご覧のとおり黒いICチップが溶けて、隣りの白い部品がススで茶褐色に変色しています。もし周りに燃えやすいものがあったらゾッとします。

はもう一台M社の同じ型のハードディスクが別の原因で壊れていたので、それを見るとこの焼けた8本足のICチップにはFDFS2P102Aと記されています。検索してみるとアメリカの半導体メーカー、フェアチャイルド社製のチップのようです。(→FDFS2P102Aのデータシート )Webを検索するとどうもこの現象を起こして壊れたのは私のだけではないようで、いくつか同様の記事を見つけることができました。当分のあいだこのメーカーのハードディスクは購入しないようにしています。設計上のミスなのか、部品の品質が悪かったのか知るすべがありませんが、おそらくクレームが多かったに違いありません。

のような劇的な故障は珍しいほうだと思います。大概は『ヘッドクラッシュ』と呼ばれる故障が多いといわれています。

ハードディスクドライブはプラッタと呼ばれるヘッドから送られたデータを記録する円盤の上にデータを読み書きする役目を持つヘッドが超低空の位置で浮いてデータを読み書きする。(詳しくは、ハードディスクドライブの項を参照)

しかし、この境にダストなどが入り込むとヘッド及び磁性面に傷が付き始め、またその摩擦力によりヘッドがバウンドし、磁性面及びヘッドにさらなる傷をつける。最終的にはヘッドが吹っ飛んでしまう事もある。また、磁性面に塗布されたライナーと呼ばれる潤滑剤が劣化した場合にも起こりうる。

その他、ヘッドに強い衝撃力が加わった場合にヘッドが磁性面でバウンドするなどヘッドの高度が不安定になり円盤を傷つけるようになることがある。これがヘッドクラッシュの主な症状である。

また、ヘッド吸着をしかけ、円盤部が回転を開始する際にヘッドが吸着面よりはがれバウンドしヘッドクラッシュに陥る場合もある。

引用元:ウィキペディア

ードディスクの構造はちょうどレコードプレーヤーのような感じで。針の部分がヘッドでレコードにあたる部分が磁気ディスクとなります。このディスクは一分間に数千回転でまわっていて。せわしなくヘッドを動かしながらデータの読み書きをしているのです。しかもヘッドとディスクは微小な間隔で接触しないような設計になっています。

ハードディスクの内部は、ホコリでも障害となるほど精密な制御構造となっています。例えば磁気ディスクとヘッド部は約0.02μm(μm = 100万分の1m)と極めて接近して、磁気情報の記録再生を行なっています。この時のヘッド部(1mm程度)をジェット機に換算すると、ヘッド部と記録ディスクとの隙間はわずか数mm、ヘッドの回転速度はジェット機が音速以上で飛んでいることになります。

引用元:http://www1.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/ele/el06/index.html

あこれほどまで微細な構造なのですから、壊れやすい電子部品であるということも頷けます。近頃では大容量のフラッシュメモリーが安価になってきたこともあり、ハードディスクの代わりに16ギガバイトフラッシュメモリーでWindowsを動作させるモバイルパソコンも登場しています。はさらに160ギガバイトという大容量のフラッシュメモリも開発されているそうですから、近い将来にはパソコンからハードディスクがなくなる日がくるのは確実でしょう。

昨年5月にソニーからHDDの代わりに16GBのフラッシュメモリを搭載したvaioの「type U」が発表されましたが、先日実に10倍の容量にあたる160GBのフラッシュメモリが発表されました。

type U」に搭載されていたフラッシュメモリは1.8インチモデルで、今回発表されたものは2.5インチモデルとのことですが、一年足らずでこの容量の増加には驚かされます。

そしてこのHDDの代わりになるフラッシュメモリを使ったドライブですが、「ソリッドステートドライブ(SSD)」という名称だそうです。

引用元:http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070226_160gb_ssd/

だ現実としてはハードディスクは安価な記憶素子としてまだまだパソコンで使われていくのでしょうから、これからもしばらくは仲良くしていかなければなりません。そのためにはこまめなバックアップは日頃から心がけたいものです。