ハードディスクを考える

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ードディスクとは、金属の円盤を高速で回転させ磁気ヘッドを介して情報を読み取ったり書き込んだりする電子部品のことです。パソコンを起動するときハードディスクからOS(WindowsMacといった基本ソフトのこと)の情報を読み出して、メモリー上に展開することにより、ブラウザーでインターネットをしたり、メールの送受信ができるようになります。デジカメ写真をパソコンに保存するときも、その情報をハードディスクに書き込むことによって、いつでもすばやく写真を見ることができます。つまりハードディスクはパソコンを動かす上で極めて重要な部品の一つといえます。

ードディスクには様々な種類があり、サイズやインターフェース(接続形式)によってその使われ方が違います。デスクトップパソコンには3.5インチサイズのパラレルATAタイプかシリアルATAタイプ(最近のパソコンはシリアルATAが標準になっている)が採用されています。ノートパソコンには2.5インチ、または1.8インチ。マイクロドライブと呼ばれる1インチのハードディスクはデジタルカメラPDA、携帯音楽プレーヤーに使われています。

ードディスクはパソコンに使われている電子部品の中で、唯一消耗品として考えられています。つまり壊れやすい部品なのです。どれくらいの頻度で壊れるかは使い方や環境に大きく左右され一概に断定できません。床に落とすのはもってのほか、振動の激しい場所での使用や、高温になる場所で長時間駆動させると極端に寿命が短くなるといわれています。私の経験では短くて1年、長くても6年ほどで使えなくなっています。*1

ソコンを動かすうえで最も重要な部品であるハードディスクが、いつ動作しなくなるかわからないのですから、常日頃からそれ相応の対処ができるようにしておくことが大切です。最近のパソコンはCD-RやDVD-Rに対応したドライブが塔載されているので、デジカメのデータなどはすぐに焼いて保存する方も多いのではないでしょうか。

CDやDVDも便利ですが、バックアップ用の外付けハードディスクを用意しておくと重宝します。『壊れやすいハードディスクのバックアップ用にハードディスクを使うなんて…』と思われるかもしれませんが、CDやDVDに焼くよりも短時間で保存が可能ですし、書き換えが自由にできるので変更や追加が簡単でランニングコストがかかりません。書き込み中にCD-RやDVD-Rのように他の作業ができないということもありません。DVDはの容量は4.7ギガバイトですがハードディスクならそれを上回るサイズのファイルも難なく読み書きできるのも重要なポイントです。またUSB接続の製品であれば、ほぼどんなパソコンでも使えるので、パソコンが複数台ある場合でも使いまわししてバックアップツールとして活躍してくれます。

USBのバージョンについて

こでひとつ注意点としてUSB接続に関しての問題があります。最新のパソコンをお使いでしたら何の問題もないのですが、数年前に製造または販売されたパソコンの場合、機種によってはUSBの規格が古い場合があります。USBにはバージョン1.1と2.0があり、1.1のデータ伝送速度は2.0の数分の一程度なので、バックアップに用いるハードディスクとして使うには少々遅すぎます。それから、USB接続の外付けハードディスクの中にはUSB2.0にしか対応していない製品もありますので、USB1.1のパソコンでは動作保証されない場合があるのです。

パソコンがUSB2.0に対応した機種であっても、ソフトウェア的にUSB1.1として動作している、これはWindows2000を使用しているパソコンでそうなるケースがあるようです。通常はWindows updateを行うことでUSB2.0デバイスドライバ*2はインストールされるのですが、ハードウェアがUSB2.0対応しているパソコンであるにもかかわらず、機種によってはUSB2.0のドライバーが正しくインストールされていない場合がこれに該当します。

でにUSB2.0接続の外付けハードディスクをお持ちの場合、例えば100メガバイトのファイル*3をコピーするとします。USB2.0であればほんの数秒でコピーできるでしょう。1ギガバイトのファイルであれば1分前後でコピーできるはずです。パソコンやハードディスクの性能にスピードは左右されますが、もし100メガバイトのコピーに数十秒かかるようでしたらUSB1.1規格の速度しか出ていないと考えられます。

ずあなたのパソコンがUSB2.0に対応している機種かどうかを、カタログや取扱説明書を広げて確認してください。もしそれらが無い場合はWebで検索したりメーカーサイトで確認できる場合もあります。そしてUSB2.0に対応しているパソコンなのにデータの転送スピードが遅いと感じられる場合は、次のことを確認してください。




イコンピュータのアイコンを右クリックして表示されるメニューから[管理]をクリックします。表示された「コンピュータの管理」画面でデバイスマネージャをクリックします。その他のデバイスの項目に[USB (Universal Serial Bus) コントローラ]の横に黄色の感嘆符 (!) が表示されていたら(右画像参照)USB2.0のドライバーがインストールされていない可能性が高いです。この場合はhttp://support.microsoft.com/kb/819332/jaを参考にドライバーをインストールしましょう。インストールが正常にできると左画像の赤丸の部分のように、「USB2.0ルートハブ」と表示されます。

バックアップ用ハードディスクの選定

付けハードディスクはメルコIO DATAが有名です。容量はバックアップするものにもよりますが、もともとバックアップが目的の製品ですので、一番低い方のスペックでも250ギガバイトはあります。財布と相談して、もし容量が足りくなってきたときは、変更や追加のないファイルやフォルダごとCD-RやDVD-Rに移すようにすれば良いと思います。

ックアップ用ハードディスクはそれ自体が壊れやすい部品ですから、2台揃えて常に同期を取っておくと完璧です。ケースの中に2〜4台のハードディスクが収められたものや、それ自体がネットワークに繋げられる製品もあり、ケースバイケースで最適なものを選びましょう。パソコンでテレビ録画をしている方には500ギガバイト以上ないと物足りないかもしれませんね。

ころでこれらの有名メーカーの製品はちょっと割高だと思いませんか?ノートパソコンでも安いものでは6〜7万円で買える時代に、バックアップ用外付けハードディスクに何万円も使いたくないものです。そこで少し冒険して、ハードディスクケースとハードディスクを別々に購入して自分で組み立てるのはどうでしょうか?1万5千円あれば500ギガバイトの外付けハードディスクを手にすることができます。ケース自体は安いものでは2千円台からありますし、量販店でバルク品として売られているハードディスクは12000円程度で入手できます。必要な工具はプラスドライバーがあれば充分です。最近では工具を一切使わないで組み立てられる製品が増えているようです。それからパラレルATAとシリアルATAのどちらのハードディスクが格納できるのか、良く確認してから購入しましょう。これからはシリアルATAが主流となるので両方に対応できる機種かシリアルATA対応の機種がベターでしょう。安く売られている商品にはパラレルATAにしか対応していない機種がありますのでご注意を。
下の写真は私が購入した製品で、パラレルATA対応のものです。




れらのハードディスクケースは中国や台湾で作られたものが殆どです。あまり詳しくない方には聞いたこともないようなメーカーや販売会社ばかりです。ちなみに上の写真の製品はセンチュリーというメーカーの製品です。少し古い機種だったので2千数百円で購入できました。大概どの製品も同じだと思いますが、ハードディスクの動作設定ピンを変更したり、コネクターをはめ込むのに少し力がいるのでメカに自信が無い方は、上記にあるメルコやIO DATAのすでに出来上がっている製品にしたほうが無難でしょう。

くに中国製のものは、食品の安全性で問題視されているのと同様、これらの電子機器もどれほど信頼性があるのか、販売会社で品質管理できているのか、とても不安になるものです。簡単な説明書しか添付されていないものもあるので、できれば詳細な取り扱い説明書がある製品を選ぶと良いかもしれません。お店で取扱説明書を見せてもらえれば、自分で組み立てられるかどうかの判断もつきます。また、中国製の製品は初期不良の確率は低いとは思えませんので、いざ交換というときのために店員さんと相談してベストな組み合わせをチョイスしてください。

*1:使われている部品の不良か不適合が原因(と思われる)により短命で終ったハードディスクも含めています

*2:ドライバーとはパソコンのハードウェアを制御するためのソフトのこと

*3:100メガバイトのファイルは動画を撮影できるデジカメで作ることが出来ます。640×480ピクセルのサイズであればファイル形式や一秒間のコマ数で大きく差が出ますが、およそ1〜数分の撮影で100メガバイトになると思います