目立たせたい部分を強調する方法

 先日このブログを読んでくださっている方から初めて質問メールをいただきました。内容は、ある土地の区画に何種類かの花の苗を植えるのをわかりやすく図にしたいが、花を植える区画以外のトーンを落として、区画内に種類ごとに色を変えて薄く塗りつぶしたいとの事でした。「きれいな人はもっと美しく、そうでない人も綺麗にする方法」の冒頭の画像をご覧になってメールを出してくれたそうです。(滋賀のM様、お送りしたデータはお役に立てたでしょうか?)

目立たせたい建物の周りをかすませて強調する例 今まで書いてきたフォトレタッチの記事とは方向性が若干違いますが、せっかくネタを頂戴したので、どんな感じに加工したか電子部品の基板を土地に見立てて解説したいと思います。お店や会社を紹介するのに、通りから撮影した建物を目立たせたいとか、地図上で店舗や会社までの道順を表示させたいという用途にも使えると思います。*1

レイヤーを使って目立たせる

新規レイヤーを作成する ベースになる画像を開いたら、区画を目立たせるために使用するレイヤーを新規作成します。ここでは「レイヤーの塗りつぶし方法」で[白]を選択して新規作成します。

トレースしやすいように作成したレイヤーを半透明にする 領域選択をするためにパスを使います。その際パスの線が見やすいように白のレイヤーを透かして作図します。「レイヤー」ウィンドウの[不透明度]を適宜薄くして、下の画像が透けて見えるようにします。トレーシングペーパーでトレースするイメージです。

パスで区画の線を引く ツールパレットで[パス]ツール(パスの作成や編集を行う)をクリックして、オプションメニューの「編集モード」で[デザイン]を選択します。区画の境界線をパスで線を引きます。[ダイアログ]タブをクリックして表示されるメニューから[パス]をクリックして[パス]ウィンドウを表示させます。今引いた線に名前を付けて整理しやすいようにします。パスの使い方に関しては「パスの基本操作について」を参考にしてください。

パスで花を植えるエリアの線を引く 新しいパスを作成して名前(例:LSI)を付けます。線を引くとき新規パスができてしまうようだったら、「パス」ウィンドウの対象のパスをダブルクリックしてから線を引くとそのパスに線が描けます。

全て線を引き終えた状態(GIMP2.2) 必要な箇所分上記の方法でパスを追加して線を描きます。

選択領域のレイヤーの透明化

選択領域を切り取って透明にする 目立たせたい"area"の部分を透明化します。「レイヤー」ウィンドウで[area]レイヤーを選択状態にし、「パス」ウィンドウで[area]パスを選択状態にします。次に[パスを選択領域へ]ボタンをクリックして領域選択したら、「編集」タブをクリックして表示されるメニューから[切り取り]をクリックするか、[Ctrl]キー+[X]キーを押して切り取ります。

選択領域に色を塗る

各スペースに色を塗っていく それぞれのスペースに色を塗ります。複数の操作を一つの画面で解説するので番号を打ちました。

  1. 新規にレイヤーを作成し名前を付けます(例:flower)。
  2. パス(LSI)を選択して、
  3. [パスを選択領域へ]ボタンをクリックして、領域選択します。
  4. [塗りつぶし]ツール(色やパターンで塗りつぶす)をクリックして、
  5. オプションメニューで図のように設定します。
  6. 「描画色」窓をクリックして、
  7. 「描画色を変更」ウィンドウで色を選んで
  8. 領域選択した部分を塗りつぶします。

全て色を塗り終えた状態の図 このようにしてLSIからRoadまで色を塗っていきます。Roadのみ別レイヤーに描画しました。

仕上げ

レイヤーの透明度やモードを変えて描画する例 「レイヤー」ウィンドウの[モード]や[不透明度]を操作して仕上げます。[area]と[flower]レイヤーの[モード]は[標準]で[Road]レイヤーは[スクリーン]で塗ってみました。

元画像と加工後の画像の比較 右図が実際に出力した画像です。加工前と後を並べてみました。

その他のバリエーション 他にバリエーションとして周辺部分をモノクロ反転してみたり、ズームボカシすることで目立たせることもできます。バリエーションは無数にあるので色々試してください。

*1:写真の建物は見本用に作成したもので、記事との関連性はありません