初心者・機械音痴のためのデジカメ選び

デジタルカメラをお持ちの方は大多数ではないでしょうか?自分で持っていなくても、配偶者や子供が持っていて、普段から身近に接していると思います。いつも使っているけど、パソコンへの取り込みや印刷は人に任せっぱなしの場合も多いのでは?

ログを始めるのをきっかけにデジタルカメラを新調しようとか、自分専用のカメラが欲しくなってきた、そんな団塊世代・シニア層の方も最近増えています。

ボタンの少ないデジカメを選ぼう!

タンが多いカメラ、または多く見えるカメラは、『使いこなせないのではないか』『うまく撮れるか自信が無い』『壊してしまいそう…』カメラの外観を見ただけでネガティブな潜在意識が定着してしまいます。実際に購入後、思い通りに撮影できなかったときや、不具合が生じたとき、カメラを使いこなせない自分を責めたり、カメラに対する苦手意識を増大させてしまいがちです。機械音痴を自認されている方の中には『写ルンです』が一番いいんです、なんてことをおっしゃる方もいらっしゃいます。

タンが一つしかないデジカメなんて見かけませんが、基本的にはデジカメもシャッターボタン一つの操作だけで、充分撮影できるものなのです。いろいろなシーンで最適な撮影ができるように、補正ボタンや設定ボタンが付いているのです。ボタンの数が増えることで、水やホコリが入ったり、破損による不調の確率が高くなることもあるのかもしれません。使ったことのないボタンを知らずに押してしまい設定を狂わせてしまうこともあるでしょう。そのことに気付かなかったり、自力で元に戻せないことがあることもまた事実です。

タンの少ないカメラは、それを見ただけで気軽に持ち歩いてカメラと仲良くできそうな気がします。たとえ上手に撮影できなかったとしても、『簡単なカメラだからこんなものさ』と、きっぱり諦めもつきます。それよりも、簡単なカメラできれいに撮影できたときが大事なのです。人に誉めてもらうとカメラに対して前向きになれます。『カメラが良いからうまく撮れたんだ』ではなく『自分の腕で撮影した』という実感が湧きます。そうなるとアクティブにカメラを使うようになるもので、自然と写真の腕があがっていくのです。

タンが少ないカメラというと、数年前なら性能の低い廉価なカメラという安っぽいイメージにとらえられがちでした。ところが最近のボタンが少ないデジカメは、従来の機種と全く変わらない性能を持ったカメラなのです。今まであったボタンの機能をモニター画面上で操作するのです。画面に直接指を触れて操作するので直感的でわかりやすく、さらにボタンを少なくしたおかげでモニタ画面が大きくなり、目の衰えが気になるシニアの方には一石二鳥のカメラといえます。

たとえば以下のような機種があります。

 
入した時点で、初期状態はオート設定になっているはずです。電池が充電されてメモリーが挿入されていれば、シャッターボタンを押すだけで撮影できるでしょう。不安でしたら購入時にすべてセットアップしてもらいましょう。以前、有楽町の某量販店でデジカメを購入したとき、依頼しなくても別売で購入したメモリーやストラップまでセットしてから手渡してくれました。そんなメカの苦手な人の気持ちのわかる、親切な店員さんのいる販売店での購入をお薦めします。

けいなボタンがないと、撮影するときにたじろぐことなく、素直な気持ちでシャッターを切れます。機械を使うという恐怖感や苦手意識がやわらぐので緊張感も少なくなります。安心感すら湧いてきます。その効果は知らず知らずのうちに撮影する枚数に影響してきます。枚数が多いとその中からベストショットを選択できるので、結果的には良い写真が撮れることにつながるのです。

タンがなければ、余計なことを気にしない人はそれで済みます。たとえ説明書に細かく取り扱いが解説されていたとしても、あまり気にせずともちゃんとした写真は撮れるはずです。でもしばらく使っていくうちに、たとえば夜景をどうしてもきれいに撮りたいと思ったら、その時点で始めて説明書を広げれば、その撮り方がわかります。説明書を見なくてもタッチパネルを指で触れればメニュー画面が出てきて、最適な撮影方法をガイドしてくれるはずです。

2台目、もしくはビギナーの域からテップアップしたい方へ

でも撮りこなしたい人や、もっときれいな写真を撮りたい方には一眼レフが最適でしょう。最近の一眼レフデジカメの中には、手ごろな価格で一眼レフビギナーでも簡単に使いこなせる機種が販売されています。広角から望遠までお好みのレンズを選べるのが最大の魅力です。

花の撮影から運動会の撮影や風景写真までオールマイティに使えます。コンパクトデジカメでは出せないような美しいぼかしを生かせるのも一眼レフならではです。2〜5万円程度で手に入るコンパクトデジカメで撮影した同じ写真と比べてみると、誰が見てもその違いがわかるはずです。色の再現性、コントラスト、階調の美しさ、どれをとっても一眼レフは優れています。色のにじみやノイズが少ないので、大きく伸ばして印刷したときにその差は歴然となります。

眼レフは、ただそれで撮影するだけで、写真がうまくなったように感じられます。実際に友人からも、『カメラを替えた?』『カメラはなにを使っているの?』と質問されることになるでしょう。

眼レフまではちょっとなぁ…という方には

キャノン

富士フィルム

パナソニック

などが最適でしょう。ぱっと見一眼レフみたいですがレンズの交換はできません。一眼レフ並のレンズと、コンパクトデジカメの便利さを融合させ、オールマイティに使えるカメラです。冨士フィルムは、フィルムや街のプリント屋さんとしてのイメージが強く、光学機器メーカーとしての認知度いまひとつなのかもしれませんが、放送局用のテレビカメラのレンズも製造する有力な光学機器メーカーなのです。パナソニックのデジカメは松下のOEM供給によるライカブランドレンズを塔載しています。

ち歩きに便利だからコンパクトデジカメがいいという方は、旅行で使いたい場合が多いのではないでしょうか?旅行先では、人物や風景の撮影が主ですから、広角側に強いレンズを塔載したカメラがベストだと思います。最適な一台はリコー Caplio GX100ではないでしょうか。24ミリまで広角にすれば、レストランや旅館など後ろにさがって撮れない場所で、家族全員が写りきらないということが少なくなります。建物や風景のダイナミックな描写にもバッチリです。望遠は72mmまででちょっと控えめですが、そのぶん明るく質の高いレンズのおかげで、画質がすばらしく普通のコンパクトデジカメとは一線を画します、自然で柔らかなボケ味もだせて一眼レフにひけをとらない実力を持っています。団塊世代・シニア層がお持ちになるカメラとしては、珠玉の一台として超おすすめです!

GX100これ一台で全てこなせるカメラではないので、お孫さんの運動会など望遠を必要とする方にはもう一台、望遠に強いレンズと機能を塔載したカメラが必要です。ステップアップを目指す方に満足できるようなコンパクトデジカメは、残念ながおすすめできる機種はありません。前出の富士フィルムパナソニックのようなカメラ、または一眼レフカメラが適しています。

必ず買い足しておきたいもの

入時には替えのバッテリーを買っておきましょう。コンビニなどで普通に市販されている電池を使えないデジカメの場合は、充電器を旅行に持っていかないかぎり、途中でバッテリー切れを起こすことが確実です。日程にもよりますが、最低一個以上買い足すことをお奨めします。機種や撮る枚数にもよりますが、一日で使い切ってしまう場合もあります。折角デジカメを持っていったのに、思い出の写真が撮れないなんてちょっと悲しいですよね。

準で搭載されているメモリーの容量は、実用になるほど多くはありません。最低でも一つ以上メモリーを購入しておきましょう。撮る枚数と記録画素数にもよりますが128MB(メガバイト)以上を目安に、機種やあなたの使い方に応じて買い足しましょう。たとえば同じ512MB分用意するにしても、512MB一枚、256MB二枚、128MB四枚、256MB一枚プラス128MB二枚の4通り考えられます。1枚で揃えるのもいいですが、破損や紛失のリスクを考えると何枚かに分けるほうが良いでしょう。メモリーは静電気や衝撃で壊れることがあります。壊れると撮った写真は全てダメになってしまいます。

ワンポイントアドバイス

ISO感度について

SOをご存知でしょうか。国際標準化機構のISOのことですが、デジカメでは撮影感度のことを指しています。仕様には『ISO感度』と記されています。カメラフィルムの箱に印刷してあるISO100やISO400などでご存知の方も多いと思います。昔は『ASA』 (米国標準規格) が使われていました。ISOは数値が大きくなるほど感度が高くなり、暗い場所でも速いシャッタースピードで写真を撮ることができます。

影時にISO感度を上げれば上げるほど、撮られた画像にはノイズといってザラザラした感じが強くなり、色に深みがなくなってきます。最低ISO感度は通常64、80、100と機種により差異はありますが、もっともきれいに撮影できるのがこの最低ISO感度で撮ったときです。

高ISO感度が同じデジタルカメラでも、高いISO感度で撮影したとき、機種によってその画質に大きな差が出ることがあります。これはスペック(仕様)からは読み取れないので、実写した画像を見て判断するしかありません。最高ISO感度1600のデジカメと3200のデジカメを使い、両者ともISO感度400で撮影した場合、必ずしも後者が品質の高い画質で描画されるとは限りません。

ジカメのメーカーウェブサイトで、サンプル画像を見ることが出来ますが。その殆どはISO感度100以下で撮影されたものです。高感度撮影の画像は別に掲載さていることがありますが、最高感度付近の画像を縮小表示されている場合が多いです。ISO200〜ISO800で撮影された画像が一切ないのが残念です。

SO感度100とは晴れた日の屋外で、少し望遠で撮影しても手ブレを気にせずに撮れる感度です。朝夕の光量の少ないときや室内ではストロボか三脚を使わないと撮影は困難となる感度だと思ってください。

ジタルカメラは機種によって、感度が上がるにつれて画質が比例的に悪くなる機種があったり、ISO200までは目立って荒れない機種もあります。前者と後者がISO400で撮影したときの画質は、あきらかに後者の方が高品質な画像を得ることが出来ます。

SO400とは屋内外を問わず、カメラを手で持って撮影するのに頻繁に使われる範囲内だと考えられます。ISO感度を常に気にしたり、固定の設定にして撮影するビギナーは殆どいないと思います。多くの場合はオート設定で撮影するために、暗い場所ではISO400とかISO800に自動制御されて撮影されます。

まり普通に使った場合、知らず知らずのうちに画質の悪い写真を多く撮っている場合が多いのです。カメラを選ぶときは、ISO400でも荒れの少ない機種を選ぶことをお奨めします。検索エンジンで自分が欲しい機種名に『ISO 比較』を加えて検索して、比較画像の載っているサイトを見つけられたら、是非参考にしてみてください。

富士フィルムをひいきにしているわけではないですが、高感度撮影での追従性に関しては比較的良好なカメラを作っているように思えます。

レンズについて

メラの選定基準にレンズを真っ先に考える人がいます。それは何よりもレンズが画像の質を左右する最も重要な部品だからです。フィルムカメラではレンズの良し悪しがそのカメラの良し悪しを決める最大のポイントでした。しかしデジカメではレンズの他に撮像素子や描画エンジンの性能も画質に大きく関わるため、レンズの品質だけではデジカメの性能を語れなくなっています。

ずは、購入候補に上がったデジカメの中からレンズが明るいものを選びましょう。明るいレンズとはF値の小さいものです。仕様にはレンズの項目欄に『明るさ(F値) F2.5〜F4.4』などと記されています。この例の場合はもっともワイドで撮影したときがF2.5で、もっともズームアップしたときがF4.4であることを示しています。

ーム倍率が高くなるほどF値の変化量は増える傾向にあります。とくにレンズ口径の小さいコンパクトデジカメがその傾向が強いようです。

ンズが明るいということは、同じ条件であればその分速いシャッター速度で写真を撮ることができます。つまり手ブレがしにくいといえます。ズームアップしての撮影でその差が大きくなります。最近は手ブレ補正の機能がついたカメラがたくさんありますが、手ブレ補正した画像よりも、最初から手ブレがない方が画質は良いはずです。また、ぼかしを効かせた作品を撮るのにも、より明るいレンズの方がその効果が高くなります。

だむやみに明るいだけのレンズではだめです。サンプル画像を見て、四隅のコントラストのある場所を見てみましょう。質の低いレンズほど、この部分の色の滲みがひどかったり、ボンヤリとはっきりと写っていません。比較するときは同じ解像度の画像で比較する必要がありますが、なかにはぱっと見ただけで画質の悪さがわかるデジカメもあるので、そういう機種は候補から除外しましょう。

だし、メーカーのサイトに掲載されているサンプル画像では判断しにくい場合が多いはずです。検索サイトを利用して、実際にユーザーが撮った画像を見て判断することをお奨めします。