ニキビ、ソバカス、テカリの肌をきれいに修正する


関連記事:シワやシミの修整方法はこちら→GIMPでレタッチ、女性の肌をより美しくする方法
GIMPでテカリとニキビを修正した比較写真 若い女性の肌はシワやシミは気にならないのですが、ニキビや吹き出物の跡の目立つ人が少なくありません。ニキビや吹き出物の多い女性は、皮脂も多いために『テカリ』が入ってしまいがちです。(それが若さのシンボルでもあるのですから少しくらいなら気にすることはないと思うのですが…)とくにストロボ撮影ではそれが強調されて、本人にとっては『掲載して欲しくない写真』になってしまいます。ここではニキビや吹き出物の跡とテカリを消して肌をきれいに修整する方法を解説します。

 社内で撮影した写真では今ひとつ表情が硬かったため、Sさんの場合はプライベートで撮影した中から、笑顔の素敵な写真を選ばせてもらって修整した例です。プロフィールに使う写真は写りの良さよりも表情の良さが大切です。自然な笑顔に勝るものはありません。前回に引き続きメガネを合成させてもらっています。言わずもがな、左が修正前、右が修正後です。実際に使用した画像では背景を整理しましたが、ここでは端折らせていただきます。

※10月24日にリリースされたGIMP2.4には、Heal(修復)ツールという肌を修正するにはもってこいの機能が加わりました、ここで解説している内容よりもはるかに簡単に修整できます。
こちらの記事を参考にしてください→「GIMP2.4の「Heal」でニキビ・吹き出物・テカリを消す
※GIMP2.2とGIMP2.4を両方使えるようにインストールする方法はこちら→「GIMP2.4のインストール

ニキビやテカリを複数のツールを使って修整する

の写真の場合少し暗く写っていたので、[レベル]補正ツールで画像全体を明るくします。また、いつものようにレイヤーを複製して、複製した方のレイヤーで作業します。[道具]タブをクリックして表示されるメニューから[色ツール]の[レベル]をクリックして、「レベル」ウィンドウを表示させます。[入力レベル]の右側の△マークを、グラフの山の始まる手前あたりまでドラッグします。[レベル]ツールについては逆光での撮影で失敗したデジカメ写真を修正するにも詳しく解説していますので参考にしてください。

[電脳はさみ]ツールで修整する肌の部分を切り取ります。背景とのなじみを良くするために[境界をぼかす]にチェックを入れて、数値を設定します。処理する画像の大きさにもよるので、何度か値を変えて切り抜いてみて最適な値を見つけてください。あまり大きくない画像であれば10前後でよいと思います。[電脳はさみ]ツールの使い方に関してはGIMPで画像を切り抜く(その3)で解説していますので参考にしてください。

[レイヤー]ウィンドウで新規レイヤーを作成します。このとき表示される[新規レイヤー]ウィンドウの「レイヤー塗りつぶし方法」で[透明部分]を選択して、背景が透明なレイヤーを作成してください。そこに[電脳はさみ]ツールで領域選択した顔の部分を貼り付けます。

規に作成したレイヤーを選択状態にしておいて、[選択的ガウシアンぼかし]ツールを使って肌を滑らかに処理します。[フィルター]タブをクリックして表示されるメニューから[ぼかす]の[選択的ガウシアンぼかし]をクリックして[選択的ガウシアンぼかし]ウィンドウを表示させます。[ぼかし半径]と[最大△]の数値を変化させて、自然な感じで最もキレイになるように調整します。このときニキビ跡などは消えなくて構いません。[選択的ガウシアンぼかし]ツールについてはGIMPでレタッチ、女性の肌をより美しくする方法に解説していますので参考にしてください。

エアブラシとスポイトを使ってテカリを修正する

に肌のテカリを取除きます。ファンデーションをパタパタと顔に塗る感じで、てかった部分を覆い隠していきます。使うツールは[スポイト]ツール(画像から色を選び出す)と[エアブラシ]ツール(圧力調整可能はエアブラシ)です。まずファンデーションの色を設定します。[スポイト]ツールをクリックして、オプションメニューで[色の平均を取る]にチェックを入れ、半径を設定します。画像は1ピクセル単位で色が違うため、ある一定範囲の平均化した色にすることによって不自然さが出ないようにするためです。この場合は半径12にしました。先ず額から修整するので、額のテカリのすぐ近くの色を抽出します。抽出された色は「スポイト」ウィンドウに反映され、さらに[描画色]にも反映されていることが確認できます。

が抽出できたら、[エアブラシ]ツールをクリックします。その下段のブラシボタンをクリックして開いた「ブラシ」ウィンドウで新規ブラシを作成するか、適当なブラシを選択して、[ブラシの編集]ボタンをクリックして[ブラシエディタ]ウィンドウを開きます。ブラシはファンデーションのパフに当たるものですから、周りに馴染みやすいように周囲をぼかした設定、つまり[強度]を下げ気味にすると良いでしょう。半径はテカリの大きさにあわせて変化させてください。また[エアブラシ]ツールのオプションメニューの[割合]は、数値が大きくなるほどマウスボタンを押している時間内に塗られる量が増えます。今回はパタパタと塗る感じにするので0にします。[圧力]は一回に塗られる量を設定します。今回は25前後にしてみました。髪の毛の黒い部分などで、どんな風に塗られるのかクリックして試してみることをお勧めします。設定が済んだら、テカリの部分をパタパタと一回ずつ位置を変えてクリックしていきます。この設定だと薄く重ねていく感じで少しずつテカリが消えていきますので、ほどよく消えたら次のテカリに移ります。
ブラシに関してはGIMPで画像を切り抜く(その5)にも解説していますので参考にしてください。

正するテカリの場所を変えるときは、顔の場所それぞれで色が違うので、その度に[スポイト]ツールでテカリの近くの肌の色を抽出してください。ちょっと手間ですが、違和感を出さないためにも、テカリの場所ごとに[スポイト]ツールを使ってください。

れでテカリが抑えられました。肌がしっとりスベスベな感じになったと思います。

スタンプを使ってニキビや吹き出物を修正する

スタンプについてはこちらでも解説しています→「スタンプの基本操作について

とはニキビを消す作業をします。これも[スポイト]ツールと[エアブラシ]ツールを使って消すことができますが、ツールの使い方のバリエーションを増やす意味でも違う方法でやってみましょう。[スタンプ]ツール(パターンあるいは画像の一部で描画する)ボタンをクリックしてください。オプションメニューで「画像源」で[画像ソース]を選択して、「位置揃え」は[揃えない]を選択します。[画像ソース]とは画像上でCtrlキーを押しながらクリックしたとき、その場所を中心として画像をコピーする機能を提供します。「画像源」の[揃えない]とは、一度コピーした位置の画像ソースを何度もそして位置を変えてもスタンプできる(貼り付ける)機能です。ドラッグするとコピーする位置も同様に移動します。*1ブラシの設定は、テカリを消すときよりも小さな範囲になるので、半径を相応の小ささにしてください。設定が済んだら、ニキビを隠したい肌の部分をピックアップします。なるべくニキビに近く、ブラシの範囲(この画面ではグレーの丸)にニキビが入らないようにしてCtrlキーを押しながらその場所をクリックして画像ソースをピックアップします。

ックアップしたらテカリを消したときを同じように、パタパタと少し位置を変えながら何回かクリックしてください。このときはCtrlキーを押さないでクリックしてください。自然な感じで消えたら次のにきびに移ります。次のニキビでも同様にニキビに近接するキレイな肌をピックアップしてから消していきます。消したいニキビや吹き出物の数だけ同じ動作を繰り返しますが、消すものの大きさによってはブラシの[半径]を適宜変更してください。

タンプツールやエアブラシツールはとても便利なツールです。コツは違和感を出さないために、「ブラシ」ウィンドウでの設定をこまめにすることです。画家が筆の種類や大きさを変えて絵を描くのと同じように、画像の大きさや部分によってブラシの設定を変えることで最適な写真に仕上げることができます。うまく修整できるようになるには、ビギナーにとっては慣れが必要かもしれません。

の「慣れ」も、ツール自体の使い方というよりも、こういうことがしたいけど、どのツールを選んだら良いかわからない、とか、あのツールはどこをクリックすればいいのか?など、実際にはウィンドウとメニューの操作や設定でつまずいてしまうことが多いものです。つまりGUIの操作がなかなか覚えづらいということでしょうか。何度も練習しているうちにGUIやツールの使い方は覚えられるものです。気長に付き合ってください。

*1:「位置揃え」の[揃える]にするとスタンプする位置との相対距離、相対角度での位置の画像ソースをコピーすることになります。つまりスタンプする場所が変わるとコピーする位置も相対的について回ることになります。[登録されたもの]とは別レイヤー画像を画像ソースにする機能です。詳しくはまた別の頁で…